病院コラム

2026年07月31日

消化器内科について詳しくご紹介します

消化器内科について
消化器内科は、食べ物の通り道である食道・胃・小腸・大腸や、肝臓・胆のう・膵臓といった、消化・吸収に関わる臓器の病気を診療する科です。腹痛や下痢、便秘、胸やけ、吐き気などの身近な症状から、がんや慢性的な炎症の病気まで、幅広く対応しています。今回は、「早期がんの内視鏡治療」と「炎症性腸疾患」について、当院での取り組みを含めてご紹介します。
 


早期がんの内視鏡治療

●内視鏡検査・検診の重要性 
胃がんや大腸がんは、早い段階で発見することで体に負担の少ない治療が可能となります。しかし、初期には症状が少ないため、定期的な検査が重要です。胃内視鏡検査(胃カメラ)では、食道・胃・十二指腸を観察し、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)では、大腸全体を詳しく調べることができます。特に大腸ポリープは、将来がんになる可能性があるものもありますが、検査中に見つかった場合は、その場で切除できることもあります。早めに病気を見つけることで、大きな手術を避けられる場合も少なくありません。当院では、できるだけ負担の少ない内視鏡検査を行っています。特に検診の胃内視鏡検査では、鼻から細いカメラを入れる「経鼻内視鏡」を導入しています。のどの違和感が少なく、比較的楽に検査を受けていただくことができます。また、胃と大腸の内視鏡検査では、拡大機能のついた内視鏡を使用しています(図1)。
これにより、粘膜の細かな変化や血管の様子を詳しく観察することができ、より正確な診断が可能になります。さらに、がんがどのくらい広がっているかを判断し、内視鏡で治療できるか、手術が必要かなどの治療方針を決めています。患者さん一人ひとりに合った治療を選択することを大切にしています。
 


●内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)について 
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、早期のがんを内視鏡で切除する治療方法です。お腹を切る手術を行わずに、内視鏡で病変を取り除くことができるため、体への負担が少ない治療です。この治療では、病変の下に液体を注入して持ち上げ、専用の器具で病変をはがすように切除します(図2)。

 

 

一度にまとめて取り除くことができるため、取り残しが少なく、正確な診断にもつながります。専門的な技術が必要な治療です。当院でもESDによる治療を行っており、治療件数は増えています(図3・図4)。
 

 


 

炎症性腸疾患(IBD)について

近年、「炎症性腸疾患」の患者さんが増えています。(図5)。
 

 

炎症性腸疾患とは、腸の炎症(腫れたり、ただれたり)が続く病気です。主に潰瘍性大腸炎とクローン病があります。主な症状は、腹痛や下痢、血便などですが、関節の痛みや皮膚の症状、目の症状などが現れることもあります。 若い方だけでなく、働き盛りの世代や高齢の方にもみられるようになっています。診断には血液検査や便検査のほか、大腸内視鏡検査が重要です(図6)。
また、クローン病では小腸に病変ができることもあるため、カプセル内視鏡やバルーン内視鏡などの検査を行う場合もあります(図7)。
 


治療は主に薬による治療を行います。炎症を抑える薬や免疫の働きを調整する薬などを使い、症状のコントロールを目指します。場合によっては外科的な治療が必要となる場合もあります。近年は治療方法も進歩し、多くの患者さんが普段通りの生活を送ることができるようになっています。当院では、増加する炎症性腸疾患の患者さんに対応するため、炎症性腸疾患センターを設立し、専門的な診療を行っています。患者さん一人ひとりに合った治療を行い、長期的にサポートしています。

お腹の症状が気になる方や、検査を希望される方は、お気軽に消化器内科へご相談ください。
 

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