消化器外科

一人ひとりの患者さんに適した
できるだけ身体に優しい外科手術を提供します。

外科は、消化器疾患、乳腺疾患、一般外科を主に診療を行っています。常勤医師10名と岐阜大学病院から派遣される非常勤医師(小児外科、呼吸器外科、形成外科、心臓血管外科)で、岐阜大学病院と強固に連携を図りながら幅広い疾患の診療にあたっています。
大腸がんや胃がんといった悪性腫瘍からヘルニア、胆石胆嚢炎、虫垂炎といった頻度が高い良性疾患の多くは腹腔鏡手術(開腹せず、孔をあけての手術)で、身体に優しい外科手術を積極的に行っています。直腸癌、結腸癌の大腸癌に関してはロボット手術を積極的に取り入れ、より精緻な出血の少ない手術を行っています。また多くの悪性腫瘍を取り扱っていますので、消化器がんや乳がんの化学療法も当科では得意にしています。消化器センターとして消化器内科と消化器外科が円滑に連携し、診断後できるだけ早い手術を心掛けています。

外来診療担当表はこちら

対象疾患

悪性疾患

  • 大腸癌
  • 胃癌
  • 乳癌
  • 肝胆膵癌
  • GIST(消化管間質腫瘍)
  • カルチノイド
  • リンパ腫

良性疾患

  • 大腸憩室炎
  • 胆石症/胆嚢炎
  • 虫垂炎
  • 炎症性腸疾患 IBD
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 肛門疾患
  • 痔核
  • 痔瘻
  • 直腸脱
  • ヘルニア
  • 鼠経ヘルニア
  • 大腿ヘルニア
  • 閉鎖孔ヘルニア
  • 臍ヘルニア
  • 腹壁瘢痕ヘルニア

救急疾患

  • 急性腹症
  • 腸閉塞(イレウス)
  • 消化管穿孔
  • 虚血性腸疾患

特色・取り組み

1. 身体に負担の少ない手術にて悪性疾患治療を積極的に実施

外科的手術の場合、大腸癌、胃癌では進行癌においてもできるだけ身体に負担の少ない腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡手術システムは最先端の機材を導入し、内視鏡技術認定医の指導のもと、安全な根治性の高い手術を提供しています。

低侵襲手術のメリットとデメリット

メリット
  • 傷が小さく、痛みが少ない
  • 術後の回復が早く、退院が早い
  • 手術中の出血量が少ない
  • 傷が小さく、美容的に良い
  • 拡大して術野が見えるので、きれいな手術ができる
デメリット
  • 手術時間が長い
  • 手術手技が難しく、外科医の習熟に時間がかかる

2. 最先端のロボット手術で腹腔鏡手術の限界を補完

ダビンチXiを導入し、最先端のロボット直腸手術ができます。当院にはプロテクター(指導医)が在籍しており、ロボット結腸手術も施行しています。

ダビンチの特徴

  • ❶ 鮮明なハイビジョン3次元(立体)画像
  • ❷ 精密な拡大画像
  • ❸ 鉗子の関節機能により人間の手より広い可動域(7自由度)
  • ❹ 手振れ防止機能による安定した手術操作
  • ❺ Motion scalingにより微細かつ正確な操作が可能
  • ❻ Dual Console機能によって安全性、技術取得(教育訓練)の向上

直腸癌手術は骨盤奥深い操作が必要であり、ロボット支援下手術の中でも最もメリットがある疾患のひとつです。

ロボット支援下直腸手術のメリット

  • ロボットアームにカメラが固定されているため、術者は常に安定した視野で手術の遂行が可能
  • 3D画像により、奥行きの把握ができ、開腹手術と同じ感覚でスムーズな鉗子操作が可能
  • 多関節機能により、操作が容易で精緻な操作が可能。特に深部や狭い空間、および縫合に有利

肛門に近い直腸癌においては、永久人工肛門をできるだけ造設しなくてよい究極の肛門温存術 ISR(内肛門括約筋切除)を行うこともできます(図1.2)。これらの究極の肛門温存術を腹腔鏡手術やロボット支援下手術で施行可能です。

放射線治療も行っており、局所進行直腸癌に対し、化学放射線治療を行い、腫瘍を縮小させて、肛門や男性では前立腺や膀胱、女性では膣や子宮を温存できる機能・臓器温存手術を心掛けています。局所進行直腸癌で膀胱や子宮・膣に浸潤している場合は、当院泌尿器や婦人科と合同で合併切除術を行い、根治手術を行う場合があります。
最近ではTNT(total neoadjuvant therapy)と言われる、進行直腸癌に対し放射線治療と化学療法を併用することにより、直腸癌が消失し、手術が不必要となることがあります。これをWatch&Waitと呼び、この新しい治療方針の普及に努めています。
残念ながら遠隔転移を認めるStageIVでみつかった患者さんや再発してしまった患者さんにはそれぞれの治療ガイドラインを遵守し、化学療法の標準治療を提供します。最近は化学療法が進化しており、外来化学療法室で快適に通院治療ができます。
進歩した化学療法を行うことにより、治療前は切除不能であった癌が、化学療法が著効することにより、根治手術が可能となる治療アプローチのことをコンバージョン手術と言います。特に大腸癌の遠隔転移、肝転移症例ではコンバージョン手術が可能となり、より生存期間が延長したり、治癒したりする症例も全国的に増加しています。
切除不能癌に標準治療である化学療法を施行し、効果を示さなくなったり、身体が弱ったりして化学療法の適応ではなくなった場合は、苦痛をとる緩和ケアが中心となってきますが、当院には緩和ケア病棟がありますので、最期までサポートしていきます。

3. 良性疾患や急性疾患においても、患者さんに最適な治療を提供

良性疾患

各種ヘルニアや胆嚢炎の手術は、腹腔鏡を用いた身体に優しい手技で行っています。
痔核、痔瘻などの肛門疾患に関しても、積極的根治手術を行っています。
炎症性腸疾患に対し、内科的治療が改善しているので外科手術になる頻度は低いですが潰瘍性大腸炎に対する腹腔鏡下大腸全摘術やクローン病に対する手術も積極的に受け入れる体制を整えています。
高齢化に伴い直腸脱症例も増加しています。腰椎麻酔下で会陰からの手術や最近では全身麻酔施行可能症例には根治度が高いと考えられるメッシュを用いた直腸吊り上げ法を腹腔鏡下に施行するようにしています。

急性腹症

絞扼性イレウスや消化管穿孔の緊急手術を積極的に受け入れています。夜間や休日でも対応可能です。

4. ストーマ認定施設、大腸肛門病学会認定施設に認められており、
患者さんが安心して生活が送れるようにサポート

ストーマ認定士2名(医師1名、看護師1名)在籍しています。最近、大腸がん症例が増加傾向で、ストーマ造設症例もそれに伴い増加しています。ストーマ外来を積極的に行い、当院で造設したストーマ症例のみならず、他院で施行されたストーマ造設症例に関しても、ストーマケア困難例について相談・治療に応じています。ストーマに関して困ったことがありましたらいつでもご相談ください。

実績

2024年度

医師紹介

副院長兼外科部長兼
消化器センター長兼
消化器外科部長

髙橋 孝夫

たかはし たかお

資格等
  • 日本外科学会認定医・専門医・指導医
  • 日本消化器がん外科治療認定医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本消化管学会胃腸科専門医・指導医
  • 日本大腸肛門病学会専門医・指導医
  • 日本がん治療認定機構がん治療認定医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定(大腸)・ロボット支援手術プロクター認定
  • 日本ロボット外科学会Robo-Doc Pilot認定
  • 日本ストーマ排泄リハビリテーション学会ストーマ認定士
  • 臨床研修指導医

副院長兼乳腺外科部長

西尾 公利

にしお きみとし

資格等
  • 日本外科学会認定医・専門医・指導医
  • 日本消化器がん外科治療認定医
  • 日本消化器外科学会認定医・専門医・指導医
  • 日本乳癌学会認定医・乳腺専門医・指導医
  • 日本がん治療認定機構がん治療専門医
  • 臨床研修指導医

感染制御部長

小島 則昭

こじま のりあき

資格等
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器がん外科治療認定医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 臨床研修指導医
  • インフェクションコントロールドクター

医長

池庄司 浩臣

いけしょうじ ひろおみ

資格等
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医
  • 検診マンモグラフィ読影資格

医長

櫻谷 卓司

さくらたに たくじ

資格等
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器がん外科治療認定医
  • 日本消化器外科学会専門医
  • 日本がん治療認定機構がん治療認定医
  • 臨床研修指導医

医師

水野 万知

みずの まち

資格等
  • 臨床研修指導医

医師

服部 公博

はっとり きみひろ

資格等
  • 日本外科学会専門医
  • 日本ロボット外科学会Robo-Doc Pilpt
  • 臨床研修指導医

医師

坂本 倫太郎

さかもと りんたろう

医師

中島 翔太

なかしま しょうた

医師

王 蓓

わん べい

資格等
  • 日本外科学会専門医
  • マンモグラフィ読影評価A
  • 乳房超音波評価B

名誉病院長

飯田 辰美

いいだ たつみ

資格等
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本肝胆膵外科学会名誉高度技能指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
  • 日本腹部救急医学会暫定指導医
  • 臨床研修指導医
  • 日本医師会認定産業医

診療についてのお問い合わせ

西濃厚生病院 企画総務課
0585-36-1100

受付 8:30 ~ 17:15(月~金)

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