病院コラム

2025年04月23日

消化器内科【消化管・肝臓】について詳しくご紹介します

●消化器内科とは
最近は、「内科」と言っても専門診療科に分かれています。当院は、栄養素を体に吸収するために働く器官の疾病を診る「消化器内科」と、心臓や血管の病気や、心臓や血管の疾患につながる生活習慣病の治療を行う「循環器内科」があります。
今回、「消化器内科」にクローズアップして、くわしくお話します。
当院には、検査室と治療室(合計6室)を集約した内視鏡センターがあります。消化器内科専門常勤医8名が在籍しており、AI診断支援内視鏡を導入し、疾病の予防と早期発見の健診活動も盛んに行っています。
内視鏡センターで行っている治療、体の消化器のしくみと病気をご紹介します。


 

<消化管について>
●内視鏡検査
口や鼻からカメラを入れ、食道、胃、十二指腸の状態を直接観察する上部消化管内視鏡(胃カメラ)と肛門からカメラを入れて、大腸を観察する下部消化管内視鏡(大腸カメラ)があります。
胃カメラでは、癌の早期発見や、逆流性食道炎、ヘリコバクターピロリ菌感染、潰瘍、炎症などを診断できます。その際に組織を一部採取して、顕微鏡で詳しく調べる場合があります。

大腸カメラでは、癌の早期発見、炎症などの診断に加えて、小さなポリープであればその場で切除を行うことができます。当院では、希望された方には鎮静剤を使用して眠くなった状態で、なるべく楽に検査を受けていただけますし、内視鏡挿入形状観測装置を用いて患者さんに苦痛のない検査を行っております。
また、風船の付いた特殊な内視鏡を用いて小腸の観察も可能です。

●扱っている疾患
・食道疾患(食道炎、食道癌、アカラシア)
・消化管がん(胃がん・大腸がんなど) 
・早期癌に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
・内視鏡的粘膜切除術(EMR)
・進行癌には化学療法や消化管ステント留置、放射線療法、手術を組み合わせた集学的治療 
・消化管出血に対する止血術、内視鏡止血困難例に対して血管造影法を用いたコイル塞栓による
・血術 食道胃静脈瘤に対して内視鏡的硬化療法(EIS)や結紮術(EVL) 
・炎症性腸疾患 潰瘍性大腸炎・クローン病などに対する薬物療法・内視鏡的治療・顆粒球除去療法など 
・進行癌には化学療法や消化管ステント留置、放射線療法、手術を組み合わせた集学的治療 
・小腸ファイバーを用いた小腸疾患の治療 
・腸閉塞に対する内視鏡的減圧術、ステント留置術

●粘膜下層剥離術
適応のある胃癌や大腸癌を内視鏡的に切除することができます。外科手術を行わずに、癌の根治が目指せます。


 

<肝臓について>
▼対象疾患/慢性肝炎、急性肝炎、肝硬変、門脈圧亢進症、肝癌など 
血液検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査などの画像診断を駆使して診断します。慢性肝炎→肝硬変→肝がんへ進行しないように早期発見し、その予防治療を行っています。

▼B型肝炎、C型肝炎の抗ウイルス治療
B型肝炎もC型肝炎も慢性肝炎から肝硬変、肝がんの経路をとります。しかし現在はともに高い効果をもつ飲み薬があります。いずれも非常に高価な薬剤なので「肝炎治療医療費助成制度」を利用して治療を進めていきますので、遠慮なくご相談ください。 

▼非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、代謝関連脂肪性肝疾患(MAFLD)の治療と予防、アルコール性肝疾患の診断・治療
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、代謝関連脂肪性肝疾患(MAFLD)は、昨今、肝硬変、肝がんの原因として増加傾向です。脂肪肝の診断は腹部超音波検査などの画像診断で簡便にできますが、B型肝炎やC型肝炎ほど簡便に肝硬変、肝がんへと進む非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を見つけるのが難しいです。当院では、全ての血液検査においてAST、ALT、血小板値のみで導き出せるFIB-4 indexを自動算出させ、肝硬変、肝がんへ進む脂肪肝を見つけ、早期発見・早期治療につなげていきます。飲酒習慣に関連した肝障害については、依存症専門医との連携も試みながら、節酒、禁酒、肝機能障害の安定化を図ります。


 

▼肝がんのラジオ波焼灼療法、肝動脈化学塞栓療法(TACE)、全身薬物療法(内服および点滴治療)
肝がんの治療として肝切除術が第一選択ですが、3㎝、3個以下の肝がんについては低侵襲なラジオ波焼灼療法を考慮します。直径の大きいもの、多発しているものについては、経カテーテル治療、薬物療法(内服および点滴治療)、放射線治療などの治療の選択肢を提示し、最善の治療を患者さんと一緒に考え、進めていきます。




 



 

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